アルマイトについて
アルマイトとは
アルミニウムの陽極酸化処理と言います。
鍍金と反対で、アルミを+側、極板を一側にして(硫酸の中で)直流電圧をかける事によってアルミの表面に酸化皮膜を生成します。酸化皮膜の形状は【図1】参照
皮膜の性質
- 耐食性 :JISアルカリ滴下試験法で10μで75秒位
- 耐摩耗性:JIS耐磨耗性試験で10μで300秒位
- 硬度 :ビッカース硬さで150HV(25℃液温)
処理工程
-
- 脱脂 付着油の除去、羽布カスの除去、汚れ不純物の除去
- 前処理 【図2】参照
- 陽極酸化処理(アルマイト)
酸化皮膜の生成
-
-
- 2~4μ :光沢もの
- 4~6μ :シルバーもの、淡色もの
- 6~12μ :中間色もの
- 12μ以上 :黒染もの
- 染色 (シルバーものはとばして次の5.封孔へいく)
-
主に有機染料の水溶液(50~65℃)に浸漬する事によって先ほどの孔に染料を拡散浸透させる。
他に無機染料による染色も有る。(耐向性良好) 電解着色(アンバー色、アルミサッシ)電解発色もある。
-
- 封孔
よごれ付着防止や染料が抜けてしまうのを防止する為先ほどの孔を閉じる工程。95℃以上の熱水に浸漬する事によって、孔壁を膨潤させて孔を閉じる。
アルミニウムについて
物理的長所
-
- 軽い
比重が2.7で鉄(7.9)、チタン(4.5)より更に小さい。
-
- 美しい
白色の清潔感のある色で、他の色とのコントラストが良い。この意味において、電解着色は色としては、ステン系~ブロンズ~ブラックである。
-
- 反射率大
反射鏡として、多孔質層に澄水性をもたらすことにより用途が拡大できると思われる。金属中で最も反射率が大きく、日光で91%位である。
-
- 加工性
押し出し、鋳造、圧延等自由に加工ができる。
-
- 力学的強度
形を工夫したり、合金にしたりすることにより強度の大きい材料ができる。
-
- 熱伝導性良好
鉄よりはるかに良く、銅の半分であるから使う箇所を考えると良い。アルミニウムは0℃で236、金は0℃で319、銀は0℃で428である。(単位w/m.k)
-
- 電気伝導性良好
銅の約60%で電子機器に使用の余地がある。
-
- ガス滲透しない
箔(20μm)ですべてのガスは透過しない。
化学的長所
-
- 無害
人体に有害の文献はなく、みょうばんは大昔から使っていた。故に食器食品関係に対する使用は多い。
-
- 耐食性と耐薬品性
鉄などにくらべ優れている。
-
- 複合性
他材料との接着性がアルマイト加工することにより増加する。
-
- 多孔質層形成
アルマイト加工することで、多孔質皮膜が形成されその多孔質層を利用することによりいろいろな用途がある。
-
- 地球での存在量
金属の中では地球上最多である。ただしすべて酸化している。ボーキサイトとして存在する。